禅と英語 2012 5 27
私は、時々、禅のことを書いていますが、
実は、ある時まで、禅について、よく知らなかったのです。
というよりも、全く知らなかったかもしれません。
学校の歴史の授業で、禅の高僧の名前を覚えた程度でした。
それ以降、禅のことは、すっかり忘れていました。
ところが、ある時、私が、20代のころ、
「Zen」という英語の本に出会ったのです。
これは、鈴木大拙が英語で書いた禅についての著作でした。
同氏は、禅について、著作を英語で書いて、
日本の禅文化を海外に広めた人です。
私は、英語で読んで、禅の素晴らしさに気づいたのです。
禅は難解ですから、おそらく日本語で読んでも、
うまく理解できなかったかもしれません。
しかし、英語では、禅は、わかりやすいものとなっていました。
さて、科学技術が発達した現代において、
なぜ禅が必要なのか。
それは、ブレークスルーに、禅が役立つと思います。
どう考えても、壁にぶつかってしまった時や、
行き詰まりで、前に進めない時に、禅が役立つと思います。
スティーブ・ジョブズ氏は、禅の愛好者だったと聞いたことがあります。
禅が、製品開発や経営に、どのように役立ったのかは、
もっと知りたかったところですが、今となっては、知ることはできません。
私は、禅を大いに役立てています。
何度も、紹介しますが、私の好きな言葉を書いておきます。
禅の言葉に、「そっ啄同時」(そったくどうじ)という言葉があります。
漢字では、「そつ」は、へんが「口」で、つくりが「卒」となります。
卵の殻を雛が内側からつつくことを「そつ」と言います。
同時に、親鳥が外側から殻をつつく「啄」によって、
卵の殻が破れて、中から雛が出てくるのです。
この言葉については、私は、こう考えています。
学問(知識)だけでは、道は開かれず、
インスピレーションだけでは、道に迷う。
学問とインスピレーションによって、道は開ける。